学校現場での新型コロナウイルス感染が拡大し、臨時休校が相次ぐ中、受験現場では新型コロナに感染した生徒への受験機会をどう担保するのか、各地の教育委員会でさまざまな対応がとられている。
大阪府教育庁は、公立高校の入試について、昨年と同様、試験を受けられなかった生徒に追試験などで対応する。専門学科などの特別選抜(2月)、普通科などの一般選抜(3月)ともに、受験ができないのは、①PCR検査などの結果が陽性②濃厚接触者で検査の結果待ち③濃厚接触者で検査結果は陰性だが、試験日に発熱などの症状がある―のいずれかに該当する場合。特別選抜を受験できなかった場合は一般選抜に出願でき、一般選抜を受けられなかった場合は後日の追試験を受けられる。
また、濃厚接触者であっても陰性と判明し、かつ試験日に無症状▽濃厚接触者ではないものの、当日に発熱などの症状がある-場合は、生徒側が別室受験か追試験を選べる。追試験も受けられず、私立高校も含め進学先が決まっていない生徒がいた場合は、救済措置として生徒の学力や面談を通し、受け入れ先を調整する。
同様の対応をとった昨年の入試で追試験を受けた生徒は3人、救済措置の対象となる生徒はゼロだった。府教育庁の担当者は「万全の体制を整えているので、安心して入試に臨んでほしい」と話している。
私立の興国高校(大阪市天王寺区)も、受験の可否について府教育庁と同様の基準を設定。受験できなかった生徒については、従来通り追試験を実施する。
3月9日に県立高校の入試(学力検査)を予定している和歌山県でも大阪府とほぼ同様の対応を取る。新型コロナウイルス感染などで受験できなかった場合は昨年と同様、同25日の追試験で対応する。それも受験できない場合は「(受験生が)不利にならないようにする」(担当者)としている。
奈良県教育委員会は新型コロナウイルスに感染したり、濃厚接触者になったりして県立高校の試験を受けられなかった受験生への救済策として、教科の知識を問う内容で、各学校が独自に考えた口頭による追試験を行う。
同教委の担当者は「口頭試問のほうが日程面で柔軟に対応でき、準備がしやすい。できるだけ受験の機会を確保したい」と話している。前年度も同様の救済策を設けたが、対象者はいなかった。