今回の入試速報は全国3千校以上の結果を載せた決定版。高校別の実績が一目瞭然だが、「真の実力校」を探るべく、東大・京大をはじめとする旧帝大、一橋大、東工大、神戸大の難関10大学への「合格率」を分析する。今年は1位の甲陽学院(兵庫)をはじめ5位までを独占するなど、トップ10のうち8校が関西勢だった。
東大、京大、北海道大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大の7大学に、一橋大、東京工業大、神戸大を加えた難関10大学の合格率トップ50校を調査(※開成[東京]は京大と難関国立8大学の合格者数について未回答のため、東大の合格者数のみで集計)。合格率は、10大学の合計合格者数(総合型・学校推薦型選抜の合格者、浪人なども含む)を、各高校の卒業生数で割って算出した。
合格率を算出することで、学校の生徒数に左右されない“実力”が見えてくる。また、合格者の重複が基本的にない難関国立大のみを対象としているため、地元難関国立大志向が強い地方の高校もランキングに入りやすいのが特徴だ。
1位は甲陽学院(兵庫)の75.1%。小差の75.0%で灘(兵庫)が続いた。ただ、内訳は異なっており、甲陽学院が神戸大や阪大といった、東大、京大以外の大学が31.3%を占めるのに対し、灘は東大と京大だけで60.6%。それ以外は14.4%にとどまっている。
3位は北野(大阪)の68.6%で、並みいる中高一貫の男子校を押しのけて、共学の公立校がベスト3に入った。4年連続の京大合格者数1位で、今年は卒業生数の30.4%にあたる95人が合格した。阪大にも17.6%の55人、神戸大にも10.3%の32人が合格している。京大、阪大、神戸大の3校の合格率は58.3%に上り、昨年の4位から順位を一つ上げた。
公立校でありながら合格率で私立の中高一貫校と肩を並べているのはなぜか。北野の進路担当者はこう振り返る。
「生徒の大半が難関国立大志望で入学してきており、入学後もこうした大学にいる先輩との交流を通して刺激を受け続ける環境にあります。授業は全科目、国立入試型の記述問題対応で展開し、さらに進度も文系は高2の前期、理系も高3のはじめぐらいで全範囲を終え、残りを入試問題の演習にあてています。また、校内で独自の模試も実施しており、学力面のサポートも怠っていません」