人生で最初の大きな選択機会
新型コロナウイルス感染症の流行は、経済状況の悪化に伴う家計収入減などで受験生にも大きな影響を及ぼしています。受験生やその親は、どのように戦略を立てれば良いのか、難しい判断を迫られていることでしょう。この状況を打破すべく、中学卒業後の学校選びに関して「コロナ時代の進学術」についてお届けします。(時事通信社解説委員 内部学)
毎年度、文部科学省が発表する「学校基本調査」によると、日本の子どもの大半は公立中学校から公立高校に進学するのですが、そのことに関する情報があまりないのは、なぜでしょうか。理由の一つは、多くの生徒が地元の高校に進学するため、選択肢が限られている。もう一つは、成績順に学校を選んでいる、ということだと思います。さらに、調査書(内申書)が大きなウエートを占めるイメージがあり、工夫のしようがないと思われているのも一因です。
高校入試は、人生で最初の大きな選択の機会です。日本の高校段階の学校は、バリエーションに富んでいます。高校は、普通科、農業科、工業科、商業科など学科も幾つもあります。さらに、高等専門学校(高専)、文部科学省所管外の高等工科学校(陸上自衛隊)や海上技術学校(国土交通省)、企業内訓練校など。
さまざまな学校が用意されています。私立の中高一貫校は素晴らしい教育をしていますが、ほとんどの私立高校は普通科です。つまり、生徒の大半は、他の普通科高校生と同じ土俵の大学受験に向かうことになります。一方、公立中学校からですと、上記のような学校を選択すれば、その学校卒業後の進路は、進学に就職にとさまざまな選択肢があります。