埼玉県内の公立小中学校のトイレについて、9月1日現在で57・4%が洋式化され、前回調査(2016年4月時点)よりも13・3ポイント上昇したことが、県教育委員会などの調査でわかった。家庭では洋式が一般的になっていることもあり、整備が進んでいるとみられる。
一方、一部の自治体では「公衆トイレではまだ和式が多く、使い方を覚える必要がある」などの理由であえて和式を残しているといい、洋式化率が3割台の自治体も9市町あった。
調査は、県内の公立小中学校1223校に設置されている便器計7万6706基について実施した。今回の調査で初めて洋式が和式を上回り、全国平均に近い洋式化率となった。
市町村別にみると、洋式化率が7割を超えたのは15市町村。中でも、ときがわ町(97%)、東秩父村(94・9%)、松伏町(91・5%)は9割を超えた。これに対し、宮代町(30・8%)、吉見町(31・1%)、嵐山町(33・8%)、入間市(34・2%)など9市町は3割台にとどまった。
県立高校については、普通教室棟から整備を進めており、体育館などを除いた洋式化率は今年度末時点で約68%に達する予定だ。
高田直芳・県教育長は7日の県議会一般質問で、県立高校のトイレの洋式化について「(高校入試で)志望校を選択する際に、重要な要素になっている」と述べ、24年度末までに完了させるとの見通しを示した。